Column

「フリーター」と呼ばれる私たち

April,2005

「フリーターだらけの日本!大丈夫か?」
というような見出しをよく目にする。今の日本におけるフリーター人口は、桁はずれの人数で、海外のメディアまでが注目しているとか。

フリーターの定義は、旧労働省によると
15歳から34歳までの人で、
@「現在、就業している者については勤め先における呼称が「アルバイト」又 は「パート」である雇用者で、男性については継続就業年数が1〜5年未満の者、女性については未婚で仕事を主にしている者
A現在、無業の者については家事も通学もしておらず「アルバイト・パート」の仕事をしている者

しかし、いまいちしっくりこない定義である。男女で定義が変わるのも、年齢制限があるのも私には納得がいかない。とりあえず、ここでは「正社員」ではない働き手を指すことにする。そして、フリーターが多くて、日本が大丈夫か・・という疑問については、私が、「全然大丈夫っす!」と発言するわけにはいかないが、私の身近にいる頑張っているフリーターの話をしたいと思う。

私の周りにはアパレル・ショップの販売員をする友人が多い。彼女たちは、「社員」ではないため「フリーター」ということになる。だけど、彼女の中に、自分たちの仕事を「バイト」と呼ぶ者は一人もいない。皆「仕事」と呼ぶ。呼び方一つだが、「バイト」と「仕事」では、言葉の重みが違う。伴う「責任」の量が違う感じがする。10代の頃に、好奇心から、手軽な感じで「バイト」として始めた仕事でも、23歳の今では、会社が保障してくれる保険や、ボーナスもなくても、時給が千円を切る額でも、彼女たちは自分の中で「仕事」として、販売のプロとしての自覚を持って、朝から晩まで真剣に働いている。
「社員になりたい・・」
彼女たちは口を揃えて言う。会社に、実力と努力を認めてもらい、社員として雇用して貰いたい、そのために頑張るのだ、売上げをとるのだ、と。

フリーターが多いのは、若者が責任を逃れているという見方だけではなくて、企業側が社員として多くの人数を雇用できない、不況のせいでもあると私は思う。そんな中、社員を目指して頑張って働く彼女たちのような若者を、「フリーター」という一つのタイトルで、まるで「どうしよもない人」のような意味を込めて呼ぶのは、絶対におかしいと思うのだ。不況の中、少ない給料で、「社員」並みの即戦力として働いてくれる「アルバイト」の力に企業が、国が、どれだけ助かっていることか!!!

私自身も、大学を卒業後も、このままフリーランスのライター・DJを続けていくことを決めた。つまり「フリーター」になる、ということだ。(定義によると34歳まで。その後はじゃあ一体何になるの?)保障がないからこそ、頑張らなくては生活していけない、そんな緊張感はある意味キモチイイ。そして、世の中が私に与えた現在のタイトルは「大学生」だが、私は一年生の頃から、毎月の家賃を払えるように、がむしゃらに働きまくってきた。(学費を親に払ってもらっていた私と違って、バイトを掛け持ちしながら私立大学の学費+家賃を払い、ロースクール受験のための貯金もしながら、弁護士を目指している大学生の友達もいる。)大人に、「大学生はいいね〜社会人とは違って遊びまくれて!」と言われては頭にきた。つまり、「学生」とか「フリーター」とか、タイトルなんて何の意味も持たない。人それぞれだから。

なんせまだ若いから、偉そうなことは言えないけれど、今を自分なりに必死に生きている私たち「若者」が、この国の「不安」の要素になるとは、私が見る限りは、思えない。悪い例ばかりにスポットライトを当てて、「今の若者は腐っている・・どうなるにっぽん!?」みたいな視聴率狙いのメディアにはうんざりする。(悪い例をプロモーションし、悪影響を若い世代に与える番組の決して安くはない金額のその予算を、違う方向に使って頂きたい。)確かに昔と比べて世の中が豊かになった分、選択肢が多くなった今、迷える若者は多い。だけど、迷うことは、悪いことじゃないと思うのだ。皆、迷った後は、自分なりの答えを見つけられるものだから・・・

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