Music-Event Report

CHRISTINA MILIAN @O−WEST

2004.7.15

「最近のクリスティーナ ミリアン見た?金髪になって超可愛くなってるんだけど。」
「ふーん。」
「いや、まじで!PVも見たけど本当に垢抜けたっていうか、やばい可愛い!」
女友達が電話越しに、私に最近のクリスティーナの変貌振りに興奮して話してきた。二年位前に、渋谷のクラブHARLEMでクリスティーナを見たことがある。初の日本ツアーで来日していた時だ。クリスティーナは、DJブースの中にいて、観客が彼女を見つけて前に集まると、ニコニコして手を振っていた。背がちっちゃくて、愛想のいい可愛らしい女の子。それが私のクリスティーナ ミリアンの印象だった。友達に言われて、最近のクリスティーナのPVを見てみてみると、すごく色っぽく、美しくなっている。髪の毛が金色になって、なんだかものすごいイメージチェンジだ。そんなクリスティーナの変貌をこの目で見るべく、ライブへ行って来た。

会場には、20代前半の若者が多い、と思ったら、制服姿の高校生の女の子達を見つけた。今まで行ったライブの中で一番観客のノリがいい。クリスティーナが出てくる前に、DJが、観客に“クリスティーナ!”と呼ぶよう求めると、観客全員が声を出しているかと思うくらい大きな掛け声で“クリスティーナ!”と観客達は彼女の登場を求めた。観客の熱さに、私はなんだか高校の文化祭の前夜祭を思い出して、ワクワクした。すると、照明を落とした会場に映画「007」のイントロが流れ、黒い帽子に黒のジャケットを着た(007風に変装した)ダンサーの女の子四人組が、踊りながらステージに登場し、それぞれが手に持った懐中電灯からの光を、器用に天井にクルクルと照らしつける。ダンサー達が帽子とジャケットを脱ぎ、カーキ色のつなぎ姿になると、オレンジ色のつなぎを着、前髪を大きなポンパにして後ろ髪を頭のてっぺんで括ったクリスティーナがステージに登場した。つなぎの胸元が開いていて、そこから黒とゴールドのブラを重ね着した胸の谷間がチラチラ見える。「かわいいー!!!」女の子達が叫ぶ。クリスティーナは笑顔で観声に応えながら、“AM 2 PM”を四人のダンサー達とピッタリと息の合ったダンスを披露しながら歌う。サビの音に合わせて腰を左右に振る。観客を挑発するような、力強い表情を見せたかと思うと、可愛らしい笑顔で“I LOVE YOU”と言いながら愛を振りまく。コロコロと変わるクリスティーナの表情から目が離せない。
「HEY TOKYO!ハーイ?」と高い声でクリスティーナが私達に呼びかける。曲がメドレーのように綺麗に“WHEN YOU LOOK AT ME”、“I COULD BE THAT WOMAN”、“L.O.V.E”へと移っていく。四人のダンサー達は皆、クリスティーナと同じ年くらいの背格好も似た女の子達で、クリスティーナも加えた五人でのダンスは本格的で動きの一つ一つが力強い。その動きの中で、クリスティーナは次々と曲を曲を歌いこなす。ステージの手前から身を乗り出し、手を伸ばす観客に手を差し出すクリスティーナの汗が照明を浴びキラキラと光っていた。

「調子はどう?皆楽しんでいる?会場のライトを点けて!皆の顔が見たい!」黒い超ミニのヒラヒラのスカートにつなぎの下に着ていた黒とゴールドのブラ、目の粗い網タイツに黒のミュール姿になったクリスティーナの指示により、明るくなった会場から「I LOVE YOU!」という声が上がる。「I LOVE YOU,TOO!」と言ってクリスティーナは、茶目っけたっぷりの笑顔でケラケラと笑う。「二年前に初めて日本に来た時に友達になった子とずっと連絡をとっていたんだ。日本語でちょっと話してみるね。」そう言うと、紙を取り出してクリスティーナはたどたどしい日本語でこう言った。「がんばってこれをよもうとおもったの。わたしのにほんごは、そんなにうまくないけど。わたしのにどめのツアーにきてくれてありがとう!」私達は感動し、彼女に拍手を送る。クリスティーナは「THANK YOU!」と何度も繰り返し、「あーこれって超楽しい!」と、大喜び。観客の歓声を嬉しそうに受け止め、「皆が楽しんでくれていて本当に良かった。ここに来れて本当に嬉しい!」と言う。そしてまた日本語で、「ここにいるみんなはいちばんのファンだよ。」外国人アーティストのライブでは、英語を話すアーティストと観客とのコミュニケーションが難しい。そんな中で、わざわざ日本語でのスピーチを用意してくるアーティストを初めて見て私は嬉しくなった。

クリスティーナは、“DOWN 4 YOU”、“SOMEDAY,ONEDAY”とR&B調のしっとりとした曲を披露する。“WHATEVER YOU WANT”で再びステージに上がるダンサー達は、F1ウェアを思わせるカラフルなダボダボのパンツに黒のブラ姿で踊りながら、思い切り楽しそうな表情をしている。同じ表情のクリスティーナも、ミニスカートを揺らしながら、会場と一つになって手を叩く。ステージにいるDJとDRUMを紹介すると、DJとDRUMによるバトルの様なフリースタイルが始まる。「みんな踊ってね!フォーウッ!!」とクリスティーナは歓声を上げ、一段ステージを去った。クリスティーナの“フォーウッ!”という歓声は、彼女がホストを勤めるアメリカのMTVの番組内で彼女がよく叫ぶ声そのままだったので、私は、“アイドルなのに、彼女はいつだって素のままのクリスティーナなんだなぁ”と感じ、彼女に好感を持った。

ダンサーとお揃いで色違いの赤いパンツと、ビニール地の黒いブラに着替えたクリスティーナが、ステージにダンサー達と共に戻ってくる。“HANDS ON ME”、“HIGH WAY”をノリノリに歌う。合間合間に、日本語で「みんなあいしてる」言ったり、「楽しんでる?」と私達に問いかけることを忘れない。“MISS YOU LIKE CRAZY”を、クリスティーナは白い薔薇の花を数本持ち椅子に座りながらしっとりと歌う。観客の中の一人が、クリスティーナに何かプレゼントを渡そうとすると、彼女は笑顔で受け取って、お返しに薔薇の花を一輪渡していた。そして残りの薔薇も、観客にプレゼントしてくれた。あぁ、なんて心のこもったライブなんだろう。

DJとDRUMがビートを刻む中、四人のダンサーが一人ずつステージに飛び出し、ソロのダンスを披露する。サイドに緑のラインの入った黒いパンツに、黒いブラの上に短い丈の黒いシースルーのトップス姿。彼女達一人ひとりの個性が光るソロのパートに会場が沸く。そして、再び衣装を変えたクリスティーナが登場。黒地に、真っピンクの服を着た女の人の上半身が描かれた、ロングスリーブで肩だけ開いたコットンのミニワンピに、オーバーニーの黒いブーツ。アメリカ人の若い女の子というより、日本人のギャルっぽい格好。(日本人のギャル服は、世界中の若い女の子が好きそうなものだけど。)最後の締めに、最近日本でもヘビーローテーション中の“DIP IT LOW”を熱唱し、会場の皆もクリスティーナとダンサー達のように、体を音に合わせて動かした。クリスティーナは、ダンサー達を一人ずつ紹介し、再びDJとDRUMを紹介すると、「東京ありがとう!」と叫びステージを去る。

会場から、即座にアンコールの声が上がる。もちろんクリスティーナは笑顔でそれに応えると、アゲアゲチューンの“PEANUT BUTTER & JELLY”を観客と共にジャンプしながら歌ってくれた。「ありがとうございます!」と日本語で私たちに感謝の言葉を述べると、投げキッスをし、又「フォーウッ!!」と叫ぶ。ステージに走る寄るファンに、彼女の方からも走り寄り、「BYE!」と丁寧にお別れを告げた。

二年前に比べて、もっと可愛く、もっとセクシーに、そしてもっと実力をつけていたクリスティーナ。でも、ハーレムでファンに笑顔で手を振っていた時と、その優しさ溢れる内面は変わっていなかった。それにしても、アメリカのアイドルはレベルが高い。アイドルも、アーティストなんだから。日本のアイドル(モームス。等)は決してアーティストではない。クリスティーナの明るく元気いっぱいな“フォーウッ!”が私までアゲアゲにしてくれた。

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