「HIPHOPはリアルだ!」
My Man、RYUがステージで叫ぶ。日本のHIPHOPレーベルを代表するFUTURE SHOCKの七周年記念パーティがこれから始まる。リアルなHIPHOPの音が世の中に出るには、リアルなものを理解しているレーベルがあってこそ。FUTURE SHOCKは、その名の通り、次から次へと、未来に向けてショッキングな音を発信し続けている。そして、今年で七年目!そんな記念すべきパーティが川崎CLUB CITTA’で行われるのだ。
「お客さんはただただ楽しんでくれ!」
RYUの掛け声に、フロアーを埋めつくし始めた会場が沸く。
ステージ後ろの大きなスクリーンに燃える炎が映し出され、UZIの文字。トップバッターのUZIがステージに立つ。始まったばかりのパーティ会場を、シラフからホロ酔いへと導くようなパーフォーマンス。
「人生は楽しいぜ!でもこんな時もあるぜ。」
意味深な発言の後、「一人酒」を歌う。「アルコール!」と会場に呼びかけ、UZIにホロ酔い状態になった観客は「アルコール!」と叫び返す。
そして、次はOJ&STが登場。そう、このパーティはとても贅沢。FUTURE SHOCKのアーティストがどしどし出てくるのだ。OJ&STの独特の太く低い声が会場に力強く響く。周りを見渡すと、20代の若者が多い中、客層は幅広く制服姿の女子高生からスーツ姿のおじ様まで。皆体を揺らしている。
これまた豪華な四人組、ROMERO SPがステージに上がる。アゲアゲになった観客が左右に右手を振る中、ライターに点された火もあちこちでキラキラと揺れている。ROMERO SP REMIXの“ON AND ON”が熱気立った空気の中を流れている。黒人の日本語ライマー、秋田県どぶろくのソロコーラスが美しい。
「肌の色とか、気にしねーやつはどれだけいる?」
その叫び声に、観客はワーッと手を上げる。
「そうだ!血の色は皆赤なんだ!!!」
胸が熱くなって、鳥肌が立つ。
「体揺らしてないと、音止めちゃうよ!」
次は、“ハマの怪獣”OZROSAURUS!“ROLLIN’”のサビ、ロリンロリンを会場も一緒になって歌う。気づいたら会場は、下のフロアーと上の階両方とも観客でいっぱいになっている。
「戦争に反対なやつ手を上げろー!」
ドドドッと手が上がる。そして上げられた手が、ピースサインへと変わり、満員の会場全体がピースで埋めつくされる。この大きなエネルギーが、きっといつか平和に繋がるに違いないと、私は信じている。メドレーのようにOZROが次々と曲を披露に、最後を「AREA AREA」で締めた。
「おはよう、日本!」
そう、般若の登場だ。一人でステージに立つ、般若の存在感が広い会場の隅々にまで行き渡る。般若の放つ言葉の一つ一つが面白すぎる!観客が、彼の挑発的なリリックの内容にいちいち大きく反応する。それでこそ、日本語ラップ!
「では、CDに出来なかった曲やりまぁーす!」
おお!すげー!この曲をちょびっと紹介すると、
“小四の頃からオナってる俺”
“入れたり出したりしてるとこ、もっとよく見せてごらんよ”
“あぁん?もう駄目。般若いつ終わるのぉ? あと五時間よ!”
CDに出来なかったこと納得の、このめっちゃくちゃエロくて面白いリリックに、観客も大興奮。アメリカのHIPHOPの魅力の一つがヤバすぎるリリックの内容だと思う。そうそう!日本語ラップでももっとこんな風に、ヤバイ内容取り入れて欲しい!そして、「PVにはこれからもAV女優しか出さねー!!」発言。だけど同時に、「こんな馬鹿な俺でも生きているんだ、何があっても自殺だけはするな!」という力強いメッセージを会場におくる。
FUTURE SHOCKの古株、大御所であるSOUL SCREAMが登場。HIPHOPクラシックを披露。
「FUTURE SHOCKなんだから、常に前(FUTURE)を向いていかなきゃな!」
と言い、新しい曲も披露する。
「今年花火を見た奴はどれくらいいる?その花火よりでっかい花火を今打ち上げてやる!」
SOUL SCREAMが歌う“花火”が会場にドカンと上がった。
「俺がZEEBRA THE イルスキル!」
聞きなれた声が観客の耳に入ると、観客はステージに近づこうと前へ前へと押しかける。コーンローにしたZEEBRAがマイクを握る。
「FUTURE SHOCK七周年、まじめでてー!半端ないレーベルになりました。どうもありがとう!」
カリスマラッパーZEEBRAからのお礼に、客は声を上げて応える。“YOU CAN TOUGH THE SKY”と歌う。空を手で触れられる、高く高くまでいける、そんな意味。
「空めがけて、手振ってくんねー?」
天井を突き破るくらいの、会場の盛り上がりの中、再びRYUが登場。
「リアルなHIPHOPレーベルであるFUTURE SHOCKはこれからもリアルであり続ける!でもそれは、今ここにいる皆が、どれだけHIPHOPを愛してくれるかにかかってる!」
会場からの「任せてくれ!」。そんな声が私の耳に入ってきた。
1STステージの締めくくりに、アジアからのHIPHOPクルーのライブ。タイ、韓国語のラップのライブを初めて見たが、格好よかった!そう、音楽はユニバーサル!世界中のリアルなHIPHOPを私はたまらなく愛してる。リアルないい音が売れるとは限らない、フェークなものがはこびるこの世の中で、FUTURE SHOCKが七年間築き上げてきた“リアル”はでかい。そして、それを支えていくのは、私たち一人ひとりの“リアル”な耳!プロモーションにかけられる金額なんかに惑わされることなく、これからも自分がいいと思う音を敏感に察知するべし!そうすればいつか、日本の音楽のスタンダードが上がっていくはず。FUTUREはいつだってSHOCKINGでなけりゃならん。